「生と死の分岐点」 ピット・シューベルト 山と渓谷社
ヨーロッパアルプスで発生した数々の事故を詳細に分析し、事故の予防策と対処法を提言している。天候の急変や落雷(落雷は上からだけではない、下方向からもくる)ロープの切断など、具体的な危険について、山で死なないためにどうすればよかったのか?
ちょっとした錯覚や勘違い,楽観的思い込みが死を招くことを、たくさんの事例から教えてくれる。悲惨な墜落事故も、なんとも単純なケアレスミスから起こったりする。日本で作られる本では考えられないような死亡現場の写真が載っているので、読むたびに身が引き締まる思いだ。あまり読んでいて愉快になるわけではないが、時々読む必要があると思う。すでに出版されてから20年を超えるが、述べられている警鐘に古さを感じない。リスクマネジメントの先駆けであり,
クライマーは必読必携だ。