トムラウシ山 2011年

トムラウシ山 トムラウシ短縮登山コース

2011年7月24日

2011/7/23 
「失敗した!」テントの中でなかなか眠れずに独り言を言ってしまった。
ここはトムラウシ野営場、広大なスペースにもかかわらず、テントは他に2張りしかなく非常に寂しい。
野営場と言う位だからトイレと炊事場が有るだけで、他には何もなく、森林に囲まれた野原がただ広がっており、ヒグマがいつ出没してもおかしくない。
先月芦別岳でヒグマに遭遇してからトラウマになってしまったようで、テントの表でカサコソ音がしてもヒグマに思えてドキドキしてしまう。
軽での車中泊は苦しいので、久々のテントにしたのが気持ちの上で裏目に出た。
28年前に購入したDUNLOPの山岳用テントはなんと20年ぶりに出番となった

2011/7/24
頭の中でヒグマのことばかり考えているうちに、いつの間にか寝入り、朝となった。
3:00 起床、早速テントをたたみ短縮登山口へ向うと、既に20台を越える車両が駐車しており、出発準備の人々でにぎやかなものだ。

              短縮コース登山口

ここは温泉コースに比較し一時間は短縮できるお買い得コースなので、大多数の登山者はここから登ると見られる。
4:00 短縮登山口から私も出発、登山道は雨が降るとぬかるむ道らしく、木道が設置してあるが、今日は乾燥しているので、非常に歩きやすく快適。
4:58 カムイ天上到着、名前から想像していた展望が開けた場所ではなく、ただの笹原の広場だった。超人気コースだけあって、標識も随分立派なものが設置されている。カムイ天上からしばらく登っていくと急に展望が開け、東方向にニペソツ山と思われる立派な山体が雲上に聳え立つ、すばらしい景色が展開。

       朝の強烈な日差し

               十勝岳連峰方面

6:25 コマドリ沢源頭雪渓に到着
時期が少し遅いのか分からないが、高山植物の種類が思っていたほど豊富ではなく、昨年の赤岳~白雲岳の時は正に天上の楽園であったのに比較すると群生もしていないのがとても以外だった。コマドリ沢源頭からロックガーデンのような岩が積み重なった斜面を登るが、意外と登り易く、快適。

            涼しくて快適な雪渓

6:55 前トム平到着。
ここまで来るとやっとトムラウシの山頂が見えてくるので、改めて元気が出る。
縦走からの下りの登山者とすれ違うことが多くなり、15~20人パーティがやってくると、狭い道ではしばらく待たねばならなくなり時間のロス。
多くが高齢者たちのガイド登山と思われ、二年前に起きた大量遭難をいやでも思い出してしまった。
あれは悪天候の中、スケジュール通り強行に下山しようとして起きた悲劇だ。
今日のような好天下では全く何の問題も生じないが、大パーティがいったん悪天候に捕まったとしたらパーティ編成が崩れたり、体調不調者を生じる事になり重大な結果を生じかねない。
もっとも、私のような単独登山者もほめられたものでないが。

       ここまで来たらトムラウシ頂上は近い

7:11 トムラウシ公園到着。
ここまで来るとトムラウシの全貌が眼前に現れ見る者を圧倒する。
双耳峰に見える山頂部直下には豊かな雪渓があり、しばし見とれてしまった。
トムラウシ公園は林立する岩石、点在する池など人工的に作られた日本庭園のようにしか思えないほど美しく、見る者を飽きさせることはない。
しかし、残念ながら高山植物の姿が意外と少ないので少しガッカリしたが、贅沢な考えか。
トムラウシ公園で休憩していると、突然トムラウシ山頂に巻き雲が現れたので、これは天候がよくない方向にむかうと直感、急いで先に進むことにした。
南沼、山頂分岐まで来ると去年富良野岳、カミホロカメットク山へ行った十勝岳連峰が全て見渡せ、すばらしく贅沢な気分になる。
ガスがかかり始め、急がねばならない、しかしここまで快調に飛ばしてきた足は鉛のように重くなり、遅々として進まず100m程手前からガスが山頂を覆ってしまつた。

        突然トムラウシ山頂に巻き雲が現れた

思い起こせば26年前、天人峡温泉からクワウンナイ川に入りトムラウシ山を目指したことを思い出す。
快適で美しいクワウンナイ川で子供のように戯れ、釣りをしたり、滝の瀬十三丁で滑り台のように流れに身を任せ楽しみ、10時間後源頭でテントを張り、楽しいひと時を過ごた。
次の日、起きると濃厚なガスでほとんど何も見えず、恐らく北沼と南沼の間付近で完全に進路を見失い、やむを得ず化雲岳経由で下山。
今回は、そのリベンジのつもりでしたが、頂上にこそ立てましたが展望が利かず残念。

8:28 トムラウシ山頂到着。
山頂部は意外と広く、標識と三角点以外は何もないシンプルさで気持ちが良い。
何も見えない山頂ですが、直前まで全てが見渡せていたので無念さはない。

              何も見えない山頂

9:09 下山開始。
前回の芦別岳と違い、今回の下山は調子が良く、足がもつれたり、休憩を取ってばかりとはならず、スムーズに降りることが出来た。
もっとも、登山道が整備されているのと、ぬかるみが少なかったことも有るのかも知れない。
地図は地図閲覧サービス(ウォッちず)からプリントしたものを使用したが、非常に見やすく分かりやすい。一枚にまとまらず、A4大に6枚となるのは仕方がない。
12:16 短縮コース登山口到着。