洞爺北岩峰群三角岩
1989年1月22~23日
中央ルンゼルート
SMから冬の三角岩はおもしろいと言う話を聞いていた。札幌から2時間のドライブで行くことが出来る。好物の「わかさいも」が買える。周囲の偵察もしょうと言う事で山行が決定した。私の古い記憶をひもとくと、室蘭RCCの会報・N03号で津久井・宮高Pの記録を読んでいた。 当時は、そんな所にルートがあるのかと思った程度であった。
洞爺湖三角岩全体像
2日 とても寒い夜で、準冬装備の服装で事務所を出発。洞爺村の分岐で森町から
来たKTと合流。青小年キャンプ場のそばでテントを張る。飲めないSM、少し飲むAH、がぶ飲みのKTと三人三様、話も弾みもう1時近くになった。寝ることにしょう
3日 快晴。今日はあったかい。最終人家の奥に車を置き、早月山登山口の看板の所からハイキング道をいく。あと「21k」の看板よりブッシュを三角岩に向けて漕ぐ。約40分
取付につく。さあ、SMさんどうぞと言う前に「行って」と言われザイルをもらう。冬ならばノンザイルでバングの下まで行けるのだが、AH・KTにとっては初見の岩場なので右側から取付く。
1P AH一SM一KT
少しかぶりぎみの凹角から。入り、左に入り込みトラバース。カンテをまたいで左上し、バングの下の立木でビレー。
ルーフハングは左のクラックを行くが苦しい体勢だ
2P AH一SM一KT
バングの下まで登りキャメ、残置にランナーを取り、左に回り込み上に抜ける。後はブッシュをつかんで右側の立木でビレー。
3P AH一SM一KT
細いブッシュをつかんで10m程登と、噂のボロボロの壁に突き当たる。ここは全ての岩が動く。大きな岩を何侃か落としながら(この時、落石は一旦ブッシュで止まりKTの頭にコトンと直撃した)プッシュ~ブッシュへと1ホールドをもとめ、バングを越え右側の立木でビレー。メンバーは一段右側のテラスまで上がる;、
4P SM一KD一AH
正面の岩壁帯の末端のクラックにルートをもとめる。一段登りテラスに立ちキャメ2個セットし、左手は逆手のジャム、右手はガバホールドで登り立った岩をブッシュまで。立木でビレー。ここでザイルを解き岩稜を越えて頂上に立つ。
下降は、裏から回り込みプッシュを利用して取付に戻る。
3P目を右にトラバース 岩は脆い
最終ピッチは右上クラックをカムのエイドで登る
下山は真直ぐブッシュを漕ぎ、途中から右よりに行く。ハイキング道をめざしてブッシュをこぐと道にぶつかる。車に戻り鳥帽子岩に向け出発。下から見上げる三角岩は登攀意欲をそそる。中央ルンゼの左壁は今だに記録を見ていない。ブッシュが多いので冬の壁だが、札幌からも近くロケーションも良い。当然温泉も目の前で家族への「おみやげ」もある。今後の冬の登摯に新しい楽しみがふえた。
ベース地発7:45~取付8:50~開始9:00~終了12:00~取付12:30~テント地13:30
(AH)
洞爺北岩峰群三角岩の記録は、1975年頃の室蘭RCCの会報で見たことがあるだけで、他では見たことも、登ったという話は聞いたことがない。 アプローチが結構不便、ルート内にブッシュが多い等ですっきりしたクライミングにはならないが、アルパイン的要素が多く、一度は登っても損にならないのだが、どうだろう。