芦別岳 夫婦岩 北西壁ダイレクト1986年

芦別岳夫婦岩 北西壁ダイレクト
                 
1986年10月11~12日

登山口17:30 もう暗闇でありヘッドランプでの高巻きがいやらしい。
ユーフレ小屋には18:50到着したが中にはすでに20人ほども居るので驚いた。21:00就寝。

12日5:00起床。 6:30小屋発。
小屋で暖かい夜を過ごし、夫婦沢分岐でシュラフ等をデポし上がっていくと目に入った夫婦岩は真白であった。
しまった、せっかく持参したアイゼンまでデポするのではなかったと考えても後の祭りだ。まあ壁を登っていくうちに雪は溶け、昼には乾くと楽観的に考え取り付きに到着。しかし、夫婦分岐でTKが道を失い、うろうろして現れず1時間以上もロスしてしまう。やっと現れたがなんだかんだでルートに取り付いたのは10:30と遅い時間になった。

       クラックは被っているがそれほど難しくない


1P目 SMリード 風は強くは無いがとにかく気温が低く寒い。上下冬用ジャケット、足はクレッターシューズと妙にバランスの取れない格好だがこの寒さには勝てない。まず、クラックにフレンズ3半を一発かまし、クラックをジャミングで上がる。クラックから左へトラバースし、靴幅バンドをさらに左へ行く。
フェイスを直上すべきが支点が見当たらないのでカンテを上がり、バンドに出て終了。

2P目 やさしいフェイスを直上、15m.

3P目 ここよりTKリード。先行する恵庭のパーティが遅いので詰まってしまい30分以上待つことになった。風はないが足がクレッターシューズなので寒く感じる。ジェードルを抜け、KSが上がり、SMラスト。

4P目もTK。ボロボロの壁を上がり雪が融け濡れた草付きデルタへ出る。

5P目SMリード。デルタの草付きの上部は日陰になっており、凍っている。
10mほど上がったが、スタンスが凍っているので危険と判断、ここで断念し14:00下降開始。二回目の懸垂に入ったところで、どうやら先行していた恵庭パーティも下降開始したらしく、上から落石がピューピューと飛んできた。
思わず『もう少し待って!まだ下降中だ』と叫び懸垂を中止してもらう。
そのまま下まで一気に降りて、基部から急いで離れる。15:00取り付着。
16:40デポ地、17:50旧道登山口             (SM)

          2P目 先行パーティが見える

当たり前のことながらパーティは、見え隠れするくらいで行動しなければ時間の無駄であるばかりか、遭難騒ぎとなる可能性が高い。
姿を見失ったらホイッスルを使い現在位置の確認を互いに取ること。
重くなるがハーケン、ボルト、捨て縄は少し多めに持つ。
重いからといって途中でデポは止める。必ず後でそれが必要になる。事前に予想して持ってきたものだから楽をすると因果応報となる。