赤岩 窓岩~エビス岩~テーブルリッジ
1989年10月13日
窓岩リッジ 8:30スタート
窓岩核心部の2~3P目
1P目 Ⅳ+ 25m SM
不動岩の末端をトラバースして見上げた初見の窓岩リッジは、うわさに聞いていたよりも手強く感じなかった。
取り付きはリッジの末端を回り込み、真っ黒な凹角状スラブを直上し、ジェードルを左へ上がって行くとアンカーに出た。足元が滑るので難しくはないが油断は出来ない。
2P目 Ⅴ+A0 20m KD
見上げるとなるほど結構ハングしているがフリーの可能性があるように見えた。
プロテクションが新しく打ち変えてあるため今回はフリーで登ることにしたが、見上げたときとは大違いで有効なホールドが少なく、ムーブも単純な三点支持では全く駄目だ。ボルダーライクなムーブは現時点では無理である。
中間より左上していくのだが三つの穴ホールドから各駅停車となってしまった。
二つ並んだボルトより上にはホールドらしきものが全く見当たらなく絶望的だが、カンテラインはレイバックで、そして右上のポケットホールドよりカンテライン直上の二つに可能性を確信したのだが今回はついに人工ラインをA0で抜けてしまった。
フリーならば5.11bくらいはあるのではないだろうか?
3P目 Ⅴ 12m SM
テラスよりハングしたところを左にトラバースし、直上するのだが右スタンスにした大きな岩が動くので気持ちが悪い。難しくはないが少し緊張した。
フォローのKDが動く岩を掴んでしまい危うく落ちそうになったらしい。
その岩が落ちていく音が辺りの壁に反響し凄まじい音を立てた。
4P目 Ⅳ+ 30m KD
P2のコルでしばし休憩を取りミミズクを登ってくるAH,TIパーティとコールをかわす。ここからはそれほど難しくないトラバースと草付きぎみの壁を登って終わり。
5P目 Ⅴ- 30m SM
ルンゼ状の右とフレークが縦に並んだような左カンテとあるが、今回は左カンテラインを選択した。ホールドのどれもが浮いているような感じがしてやさしいが気持ちが悪い。プロテクションは全てフレンズとナッツで取り、草付きから左のリッジに出てピッチを切る。見上げると窓が直ぐ上に見えるので、あまりのあっけなさにガッカリしてしまう。
6P目 Ⅳ 15m KD
リッジを直上し窓の右へトラバースしたらザイルの流れが悪くなりピッチを切る。
7P目 Ⅳ 10m SM
トラバースはプロテクションが取れないがやさしく楽しい 12:00窓岩終了。
エビス岩 Ⅳ+45m KD 13:30スタート
ガサガサのまるでお菓子のカルメラ焼きそっくりのガスの抜けたスカスカな岩である。
壊れそうで壊れない、しかもプロテクションはまともには取れないのでかなりのランノウトになる。しかも、ザイルの流れが悪く、土橋は結構苦労したようだ。
懸垂で降りるのだが空中懸垂になるのでかなり恐ろしい。14:10エビス岩終了
テーブルリッジ 4P SM~KDの順 14:30スタート 15:25終了
特に書くことはないが、速いペースで登れた。 (SM)
窓岩は人工ピッチを含む7P、エビス岩は2P、テーブルリッジは4Pと特筆すべきは何もないが、マルチピッチを数登ることにより、アルパインクライミングの良いトレーニングになるだろう。
暮れていくエビス岩