登攀装備 3

 マムート バリボックス アバランチアビーコン 2022年

 

電池の持ちは、アルカリ/約300時間(SEND)、1時間(SEARCH)。リチウム電池ならこの2倍くらいになるだろう。受信待機時間なら300時間あるので問題ない。捜索探索時間が1時間と短い点には注意だが、埋没してから生存できるのが15分といわれているので1時間以上埋没者を探すような状況はそれほどないので、それほど気になることではないと思う。探索帯域幅は70mと広く、70mもあるビーコンは、これだけで優秀な性能を持つことがわかる。もっと安いビーコンもあるが、命を預けるギアとしてあまりケチりたくない。やはり45年以上もの歴史あるマムートのビーコンを選ぶという安心感がある。同じくらいの帯域幅のアルバ NEO(ネオ)+があるが、バリーボックスとほぼ同性能同価格ですが、バリーボックスの方がわずかに軽い。操作性に関してはアルバのビーコンも使い易いので大差なし。



 アルバ ネオ アバランチアビーコン 2019年

 

何処といって特徴のないアバラチアビーコン最大受信範囲(縦)(横):70m  捜索モード:100%デジタルモード 3本アンテナ など一通りの性能を備えている。価格も安いので購入したが、バリボックスが気になりオークションで売却。

 

 アライテント エアライズ2 2020年

 

今日プライベート重視の時代なので、ベースといえど一人用が基本

登山用のテントには、テントの壁が本体とフライの2層になったダブルウォールと、1層のシングルウォールがある。雨や気温などの天候への対策を重視するならダブルウォールタイプ(モンベル ステラリッジテント1 1kg ライペン エアライズ1 1.5kgなど)が向いている。本体にフライをかけた二重で、前室を荷物置き場に使えば、居住空間を効率的に活用できるし、二重であるためテント内が結露しにくい。一方で、ダブルウォールタイプはシングルウォールに比べて重いモデルがほとんどで、二重構造のため、設営にも多少時間がかかる。軽量でコンパクトなシングルウォールは、コンパクトさと持ち運びやすさでまさる。透湿性と防水性を兼ね備えた1枚の生地でできており、設営が簡単なのも利点だ。急な天候の変化にも素早く設営して対応できるが、風雨への対応力は比較するとダブルウオールに劣るだろう。湿気がこもりやすく結露が発生しやすい点には割り切りが必要だ。荷物置き場として使える前室もない。軽量でパワーのない私は、出来ればシングルウオールのテント(モンベル U.L.ドームシェルター1 750g ヘリテイジ クロスオーバードーム f <2G>540gなど)が欲しいのだが、価格的にシングルウオールの先鋭的テントは概して高いのだ。現代はプライベートを最優先する時代だから、山でも当然に寝るときは一人となる。ちょっと前まで3~5人が重たいテントを担ぎ、みんなで寝食を共にしたなんて嘘のようにテント場では一人用テントが林立している。テント生地とポールの進化により軽量化が進んだ恩恵だろう。ただし、限られた面積しかない天場は溢れんばかりになるので、先着順に良い場所が埋まっていくことは注意が必要だ。 もっとも、後期高齢者になった現在、ベースでテントを使う以外では山小屋を利用し、テントを持って山にはいかなくなったが。

 

 ナンガ オーロラライト ハーフジップ1000DX 2022年

    でかい、重い、暑いと三拍子揃った厳冬期専用シュラフ

NANGA×さかいやスポーツオーロラライト ハーフジップ1000DX厳冬期用モデルで1,000gのダウンを封入して、想定対応温度は-25℃~。アウター生地にはNANGAオリジナル防水素材の「オーロラライト」を使用。シュラフカバーの必要がなく300g程の軽量化が出来るとの特徴がある。しかし、分厚い極寒地モデルなので総重量が約1,400gと重く、厳冬期以外では汗をかいてしまい、意外と出番が少なくオーバースペックも善し悪しと感じた買い物であった。450や600クラス辺りのスペックを二重にするとかシュラフカバーを工夫することがコスト的にも汎用性でも一番良いのかなと思った。    

 アスカ エア280は重量500gと三期用として使いやすい

 メトリウス シミュレータ  2021年

 

多様なホールドを備えたメトリウスのベストセラー・トレーニングボード。弓状に湾曲したエルゴノミックデザインは、肩や肘への負担を軽減してくれると言われている。オーソドックスなトレーニングボードでオープンハンド、スローパー、ポケット、カチ、など機能性は万全だ。重量が5kgと重いので壁の上部に設置する場合、取り付けには落下に注意が必要だ。壁に20mmの集成合板を先行して取り付け、シミユレータを木ねじで止めた。体重を含め60kgを越える荷重が加わるので、壁の中の柱、垂木など確実にネジが効くことを確認しなければならないだろう。設置してから三カ月くらいは熱心にトレーニングしたが、気が付くとただの飾りになっていた。やはりスポーツの肝は『継続は力なり』の一言である。改めて自分がクライミングにおいて、何も成し遂げれなかった理由が分かった。

 

 マウンテンハードウエア スクランブラー35  2021年

 

スクランブラー 35 バックパックは、X-PACという軽量かつ耐久性に優れた素材を使用したバックパックだ。X-PACは、ダイヤのような格子模様が特徴で、ハイテク素材で軽さと強度が求められるヨットの帆に使われているらしい。軽量なバックパックでは省かれることの多いサイドポケットも装備。あまり使い道がないがギアループも装備されている。X-PACの大きな特徴である耐水性のため、雨や水しぶきぐらいならレインカバーは必要ない。重量:840gと比較的軽量。背負いやすく軽量なので良いことずくめに思ったが、実際に使うと欠点にも気がついた。 XPAC自体が固い生地であるため、少量の荷物でも型崩れすることがないのだが、硬さゆえ大きな動きで生地がバリバリと音を立てうるさいのだ。しなやかな、ほかのパック生地では出ないので、少々気にはなる。ほかに白い生地ゆえに少し黄ばんで来たのは気になる。軽量なクライミング用バックパックのセオリー通りに、ヒップベルトは20mm幅のテープでハーネスと干渉しない点は良い。左にあるのはパタゴニアのアセジョニスト30Lで、普段のクライミングや北アルプス縦走などで使用している寸胴の一本締目だ。これにはサイドポケットやトップリッド、コンプレッションベルトなどの余計なものが全く付いていない。シンプル過ぎて水を飲むにもパックを毎回おろして中から水筒を出さなければならない。面倒ではあるが何せ30Lで670gと軽いのが何より毎回使う理由だ。 ヒップベルトは20mm幅のテープでアックスの留め金もある。

             恵庭岳頂上直下

 

 MSRライトニング アッセント  2023年

 

これは女性用モデル22インチでメルカリにて手に入れた。恐らく数回しか使用していないだろうと思われる新しいモデルだ。スノーシューは面積が大きいほど浮力を生むため、同じサイズ(長さ)のスノーシューで比べれば、男性向けよりも面積が小さい分浮力は小さくなる。男性用モデルと比べ幅が2cm狭く男性用モデルよりも軽量であり、女性用モデルでも十分に浮力があるのと、自分の体格が小柄のためじゅうぶんと判断した。MSRスノーシューは耐久性もあり、パーツの供給も安定していことからメンテナンスを行えば10年以上使用できるだろう。しばらく前に近郊の銭函天狗岳頂上直下スノーシューで直登する登山者を見てからスノーシューの実力に目を見張った。北海道に生まれながら、スキーが超下手な自分にとって冬を楽しむために最高のギアである。

    想定していたより急登をガシガシ登ることが出来る

 極低温下ではゴムが硬くバンドが締めきれないので紐を引くようにした

 スポルティバ プロディジオ  2024年

 

スポルティバらしいトレイルランニングモデル。絶大な支持を集めるロングディスタンスの代表モデルアカシャⅡ が以前から評判が良いのだが2024年5月新製品として40gほど軽量なプロディジオが発売された。上から見るとゆとりのあるトゥーボックス形状となり、長時間着用時の締めつけもない。メッシュアッパーは通気性と速乾性に優れ、蒸れを抑えて靴内の良好な環境を保つ。ドロドロの斜面からロードセクションまであらゆる局面に対応出来るだろう。と書いたが、私はトレランをしたことがないし、今後もやらないだろう。ではなぜ購入したのか? それは2023年9月に北アルプスの伊藤新道が数十年ぶりに再開されたことによる。伊藤新道は鷲羽岳から発生する湯俣川を遡る極めてワイルドなトレイルだ。渡渉が15~16回を超えるため、普通の登山靴では水が中に入り具合が悪い。とはいえ沢靴は岩場では歩きにくく使えない。湯俣川は温泉がいたるところで湧き出ており、岩に苔がないらしい。そこでグリップの良いトレイルランニングシューズの出番である。まず、270gと超軽量であり、アッパーがメッシュで防水になっていないので、水はけがよい。選択に間違いはなかったと思うが、残念ながら川に架かる吊り橋の一本が落石で破損し、再開が2024年8月20日となり、2024年7月の伊藤新道から上高地までの縦走計画はブナ尾根から登ることに変更したため、目的の山行では使えず、まだ地元の五天山での一度きりだ。

 

 カウンターアサルト ベアスプレー 2022年

   クマと遭遇した場合、すぐ構えることができるか自信はない

カウンターアソールト(COUNTER ASSAULT)は、1967年に世界で最初に開発された熊撃退スプレーで、最小限界噴射距離は約9メートル。カプサイシン(唐辛子エキス)の刺激の強さは羆であっても撃退可能だ。 札幌市役所令和6年度札幌市ヒグマ出没情報にあるように、街中に出没状態だ。西区、中央区、南区などの重点エリアにおいては、人とヒグマが接触しやすい環境にあり、人身事故等の発生リスクも高いなど、札幌市の中でも特にヒグマとのあつれきが深刻化している。また、既にエリア内での複数個体の定着も確認されている。市民に人気の三角山登山道が閉鎖になるなどの事態となってしまった。2024年5月北海道で軽トラックが羆に襲われた映像からわかるように、時速40km以上で突進されると、スプレーを発射する時間があるかどうかは極めて疑問だ。とは言え、有効な対抗手段は今のところこれ以外になく、日本全国でクマによる被害が多発する今日、各店舗では在庫がない店もあるという。国際線と国内線の航空機への持ち込み及び搭乗荷物としての預け入れが一切認められていない。現実に、新幹線内にて登山帰りの乗客が持っていたクマ撃退用とみられるスプレーが誤って噴射された可能性がある事故も発生した。札幌近郊のおなじみ三角山でさえ羆が出没する今日、カウンターアソールトは必携だ。極めて注意を要するのが使用期限である。普通5年が多いのだが、7年近くたったものを実験で噴射したところ、たったの1m位しか飛ばず全く使いものにならなかったという事実を仲間から聞かされた。

 

 

グリベル Rambo Mono Point 2024年

       遠目から見るとバリバリの兵器に見える 

クライミングテクノロジーのモノポイントアイゼンをオークションで売り払ってから二年、アイスクライミングも遠ざかっていた。下手の横好きであり、情けない登りで諦めたはずなのに、再びアイスクライミングに気持ちが向いてしまった。しかし、二年の間にクライミング用品が円安のために値上がりが甚だしい。飽きっぽい自分のために高価な新品アイゼンを買うことは出来ない。オークションやメルカリで探してみたところ、中古といえどけっこう高い。そんな時グリベル Rambo Mono Pointを発見した。比較的新しい2017年の購入らしいが、肝心のモノポイントがけっこうすり減っている。ここはヤスリをかけてやれば鋭くはなるのだが、短くなってしまうのは避けられない。しかし、値段が8,800円(送料込み)と、とても魅力的なのだ。

       上はヤスリを入れた刃、下は入れる前

機能的におかしな所は見当たらない。5分間悩んだが、8,800円の値段に逆らうことは出来ず購入してしまった。届いた現物は確かに刃が減っている以外はとても程度が良い。早速全ての刃にヤスリを入れて尖らせた。実際に使用してうまくなかったとしても普通のアイゼンとしては問題はないだろう。

    セカンド、サードポイントも徹底的に尖らせたがどうだろう?

        ザンバランマウンテンプロに装着した図

 

キャラバン アプローチシューズ 2015年

 

キャラバンのアプローチシューズだが型番は忘れてしまった。造りは堅牢で重い。まるでトレッキングシューズの足首から上を、カットしただけに思えるくらいだ。しかし、サイズは丁度いいのに、くるぶしが少し当たるため、あまり履いていない。インソールを入れてみようかと考えている。